JA長野厚生連は7月9日、10日の両日、第60回農村医学夏季大学講座を、佐久市臼田の佐久総合病院農村保健教育ホールとオンラインによるハイブリット形式を採用し、今年は「すべての人々に健康を」をメインテーマに掲げ、「COVID-19が問いかける新しい社会のあり方」をサブテーマに開催しました。
1日目は、第29回若月賞授賞式が行なわれ、一般社団法人全国公私病院連盟会長・特定非営利活動法人地域医療・介護研究会JAPAN会長の邉見公雄氏が受賞されました。若月賞受賞者講演として「生命を輝かそう農村の仲間たち~ウイズコロナの時代に~(地域包括制度を実らせて)」をテーマに講演をいただきました。邉見氏は病院経営や地域包括医療についてなどの専門的な分野から、病院でたくさんの犬と触れ合えるイベントについてなど非常に幅広い内容で、次のスライドがどのようなものか聴講者が期待する様子が伝わってきました。
また、基調講演では、ペシャワール会会長・Peace(Japan)Medical Services(平和医療団日本)総院長の村上優氏による「中村哲医師の歩いてきた道 これまでとこれから」をテーマに講演をいただきました。村上氏は中村哲医師の活動について講演し、難民支援医療に始まり、アフガニスタンの大干ばつ復興に携わる姿に多くの方が深い感銘を受けました。
2日目は、沖縄県立中部病院感染症内科副部長の高山義浩氏による「感染症に強い地域をめざして コロナ危機の夜明け」、「ちょびっと19+」共同代表・松山大学法学部准教授の甲斐朋香氏による「「ただいま」「おかえり」って言いあえるまちを目指して~シトラスリボンプロジェクト15か月間の活動報告~」をテーマに講演をいただきました。高山氏は感染症医、在宅医、行政医と多様な経験を軸に、新型コロナウイルス感染症に対しての地域のあり方など、行政データを分かりやすく示しながら説明されました。また、甲斐氏はシトラスリボン活動がもたらした出来事について話され温かい内容に会場は和み、笑顔の締めくくりとなりました。
今年は、万全の感染防止対策を講じながら、来場者と視聴者が一体となった講座となり成功裡に終了することができました。今後は全国各地でオンライン方式による催しが増えると予想されます。会場まで足を運ばない分、本講座のように講師先生方の貴重な講演に耳を傾ける機会が増えるのではないかと考えております。