もの忘れ
「もの忘れ」は誰にでもあり、年齢を重ねるごとに増えていく傾向にあります。もの忘れは単なる年のせい…だけではなく、認知症によるもの忘れもあります。
認知症のもの忘れは、体験そのものを忘れるという特徴があります。体験そのものを忘れるというのは、例えば自分で財布をどこかにしまっておきながら、自分がしまったということ自体を忘れてしまうのです。
さらに、自分がしまっておきながら、そのことを忘れてしまい、「財布がないのは誰かが盗んだからだ」と言うということがあります。これが「物盗られ妄想」です。
もの忘れ以外に認知症の早期の症状として、同じことを何度も言う・聞く、日付があやふや、人の名前を思い出せない、「あれ、それ、これ」が増えた、理解力が落ちた、物事の段取りがつけられなくなった、だらしがなくなった、意欲がなくなったなどの症状があります。
現在、認知症の中で最も多いのはアルツハイマー型認知症です。
65歳以上の認知症全体の約7~8割を占めています。85歳以上では約4人に1人がアルツハイマー型認知症といわれています。
アルツハイマー型認知症は徐々に進行していきます。症状が進行するにつれて、日常生活で介護が必要な部分が増えてきます。早期は年のせい程度に思われる記銘力障害だけのこともあるのです。
また、認知症のもの忘れは自覚がないと思われがちですが、早期には「忘れっぽくなった」という自覚がある場合があります。アルツハイマー型認知症の場合、進行を緩徐にする薬がありますので、もの忘れが気になってきたら受診をお勧めいたします。
篠ノ井総合病院 心療内科部長 大村 慶子




