排尿障害
排尿とは、文字通り尿を体外に排出することで、いわゆる「おしっこをする」ということです。これが円滑にいかないことを一般的に排尿障害といわれていますが、専門家が考えるときには、おしっこを貯める働き(蓄尿)と、おしっこを出す働き(排尿)に大きく分けます。そして、排尿がうまくいっていないのか(蓄尿症状)、排尿がうまくいっていないのか(排尿症状)、それとも両方が同時に存在するのか、を見極めて治療を行います。
排尿症状には、おしっこが出始めるまでに時間がかかる(排尿遅延)、おなかに力を入れないと出てこない(腹圧排尿)、出ても勢いがない(尿勢低下)、途中で止まってしまう(尿線途絶)、しまいには出なくなってしまう(尿閉)などが含まれます。
この原因として、男性で一番多いのが前立腺の病気です。
「俺は前立腺の気がある」などといわれる方もいらっしゃいますが、前立腺とは男性のみに存在する臓器の一つで疾患名ではありません。前立腺はおしっこの通り道(尿道)を取り巻くように存在するため、これが大きくなると尿の通り道を狭くしてしまい、先のような症状が出ることになります。
前立腺肥大症という良性の病気が最も多いのですが、近年は前立腺のがんも増えてきており、この際も同様の症状が出ることがあります。がんの可能性については、血液検査でだいたいの見当がつくようになってきており、検診でも広く取り入れられています。
また、前立腺の病気以外にも、膀胱というおしっこを貯める、出すという働きを持つ臓器がうまく働かなくなる状態(神経因性膀胱など)や、尿道が狭くなってしまっている尿道狭窄、そのほか原因となる病気はありますので、お心当たりのある方は、専門医を受診することをお勧めします。
長野松代総合病院 泌尿器科部長 中沢 昌樹




